DAHON Route カスタマイズ #18 センタースタンドを交換しよう


何となく気になっていたアレを変えようシリーズ! まずはこの部分から!



はい、センタースタンドです。実は以前からちょっと気になってまして。



これですよ、この角度。見る人を不安にさせる傾きですよね?

何ゆえこのような状態になっているのかと言えば、スタンドの足の長さを調節できないことが原因です。

太いタイヤを履けばより大きく傾き、細いタイヤなら逆に立ち気味になるといった感じで、タイヤ次第で角度が変わってしまうんですよね。長さをいじれない片足スタンドゆえの不都合ですね。

新しいスタンドを購入

まあ、現状のままでもさしたる問題はないのですが、ルート号改造計画もいよいよ大詰め。気になるところがあれば交換してしまおう、ということで、もろもろ検討した結果……



こちらのブツを購入しました。ギザ ダブルレッグセンタースタンドです。

この製品については、正直最後まで購入を迷いました。「安定感抜群」との評判は耳にしていたものの、なんといってもヘビー級で知られるスタンドです。



これまでのNUVOスタンドが156gなのに対して、ギザ ダブルレッグセンタースタンドは546g。スタンドを交換しただけで390gもの重量増ですよ。 軽量化を主眼としていないルート号とはいえ、改造の過程でじわじわと減らしてきた車体重量を、一気に巻き戻してしまうほどの重さです。

重くなるのがそんなに嫌なら、一本足のアジャスタブルにしたらいいじゃないって? もちろんそれも考えました。片足スタンドにも長さ調整可能なものがあるので、そっちにしようかなぁと。いくらかでも軽いですからね。

ただ、そちらはそちらで別の懸念がありまして、スタンドを跳ね上げて収納したときに、果たして左クランクとのクリアランスを確保できるのか、という問題です。



以前、クランクをロード用2ピースタイプに交換した際、左アームがスタンドに接触する事態を回避するため、BBにスペーサーをかまして対応した経緯がありました。(こちらの記事)

一本足のセンタースタンドというのは、総じてこのような出っ張りが生じてしまうようで、スタンド次第ではさらに悪化する可能性もあります。そうでない一本足の製品もあるのかもしれませんが、画像だけでは判断することができませんでした。

その点、ギザ ダブルレッグセンタースタンドは、収納時のクランクへの影響が比較的少ないようでした。まあ、これについても確証があったわけではなく、ネットであちこち見て回った結果そんな印象を受けた、というだけなんですけども。

スタンドの取り付けと調整


とにかく買ってしまったからには、あとはもう取り付けるほかありません。ルートの場合、取り付け方法はいたって簡単。中央にスタンド用の台座があるので、そこにしっかり固定するだけです。



固定には、スタンド付属の2種類のボルトのうち、短いほう(キャップボルトのほう)を使いました。ちなみにNUVOのボルトと同じ径&長さでした。



気がかりだった左アームとのクリアランスは、取り付けてみるとご覧のとおり余裕でした。跳ね上げて収納したときの横方向への出っ張りは、NUVOセンタースタンドより明らかに少ないですね。



一方で、センタースタンドを立てた状態では左クランクアームがスタンドの脚に当たってしまい、クランクをぐるぐると回すことはできません。(これまでのNUVOスタンドでも同様です)

フレームやクランクの形状、BB軸長次第では当たらずに済むケースもあるようです。ルートの標準クランクなら大丈夫かもしれませんが、ロード用2ピースクランクと一緒に使う場合にはおそらく引っかかることになると思います。



このスタンドの対応ホイールサイズはけっこう広く、外側の黒い樹脂部分をスライドさせて固定位置を変えることで、20インチから28インチまで対応可能となっています。



試しに最短の位置からひとつ上の穴に固定したところ、後タイヤ(40-406)が指1本分ほど浮き上がりました。駐輪場所や使用環境によってはもう少し高く浮いていたほうがいいのかもしれません。とりあえずこの状態で使ってみて、都合の悪い場面があるようなら伸ばすことにします。



実際の重さだけでなく見た目にもかなりゴツいスタンドなんですけど、収納した様子にはさほど違和感がありません。ルートはチェーンステイを持たない自転車なので、そのぶんスッキリと見えるのでしょうかね。

この後ルートを折りたたんでみましたが、干渉することなくピッタリと折りたためました。



さて、スタンドを交換したことで左クランクを外に逃がしておく必要がなくなったので、2.5mmのBBスペーサーを抜くことにします。



久しぶりにクランクBB周りをバラしてみると、右ワンがわずかに緩んでいました。



トーケンBB付属の薄いスペーサーと入れ替え、緩まないようにBBカップをしっかりと締め直します。

ダブルレッグのメリットとデメリット

【良い点】

●抜群の安定性
ダブルレッグセンタースタンドの長所は、この点に尽きると言ってもいいでしょう。スタンドを立てたときの安定感は片足サイド(センター)スタンドの比ではなく、思わず乗ってしまいたくなるほどです。(スタンドの耐荷重は10kgなので乗れません)

●一部の整備作業で好都合
ロード用2ピースクランクでは左アームがスタンドに当たるため、リアディレイラーの調整には使えませんが、他のいくつかの作業で都合がよいことに気づきました。



まずはこれ。フレームを途中までたたんだ状態でも自立します。ヒンジ部分の清掃や調整などに便利です。



さらに後輪を外した状態でも自立します。個人的にはこれがものすごく便利でした。リアハブ軸を左右から挟むタイプのメンテスタンドは後輪を外す際には基本的に使えないので、これまでは自転車をひっくり返して対応していました。しかしダブルレッグセンタースタンドならば、画像のように安定した状態で自立します。出先で後輪のパンク修理をする際にも助かりますね。


【イマイチな点】

●重い
マイナス面もほぼこの1点に尽きます。500g超というのはやはり無視できない重さです。利便性と軽さを天秤にかけてどちらを選ぶか、ということになりますが、輪行などを頻繁に行うユーザーならもちろん、そうでなくとも、折りたたみ自転車乗りならばさすがにちょっと躊躇する重さですよね。中空アルミの脚にしてくれたらいいのにと思うんですけど、強度や耐久性、コストの面で無理なのかもしれませんね。

●折りたたみの手順が変わってしまう、かも
一部の折りたたみ自転車において、折りたたみの手順に影響が出る可能性があります。通常、横折れ式フレームのダホンであれば、
  1. スタンドを出したままシートポストを下げる
  2. ハンドルポストをたたむ
  3. センタースタンドを跳ね上げる
  4. 自転車を支えながらフレーム中央部分をたたむ
  5. ペダルを処理する(この作業は前後しても可)
というような手順になります。

しかしダブルレッグセンタースタンドの場合、まずもって、スタンドを出した状態ではシートポストを底まで下げることができません。

スタンドは最初に引っ込めるという人もいるでしょう。しかし、スタンドは途中まで出しておいたほうが折りたたみの作業が断然ラクになります。とりわけ、ハンドルポストの長さ調整が必須のルートのような内折れ式テレスコポストの場合はそうです。最初にスタンドを跳ね上げてしまうと、あとはつねに自転車のバランスを取りながら折りたたみ作業をすることになってしまいますからね。

ダブルレッグセンタースタンド取り付け後は、
  1. スタンドを出したままハンドルポストをたたむ
  2. スタンドを跳ね上げる
  3. 自転車を支えながらシートポストを下げる
  4. 自転車を支えながらフレーム中央部分をたたむ
  5. ペダルを処理する(この作業は最初でも可)
という手順になりそうです。

大した違いではないと言われればそうなのですが、なにせ毎回の折りたたみで慣れ親しんだ手順なので、少なからず戸惑う部分はありました。ちなみにDAHON公式のインストラクション動画では、スタンドの存在は無視されています。(付いていない)

●走行中にカタカタと音がする
これはこのギザ製スタンド自体の欠点ですが、石畳のような道や荒れ気味の路面を走ると、振動でスタンドがカタカタと揺れます。フレームにハッキリと伝わってくるほどなので、人によっては気になるかもしれません。脚の重さに対して保持力が弱いのでしょうか。

使ってみた感想は?

まだ少し乗ってみただけなんですけども、ダブルレッグスタンド、すごく気に入りました。この安定感を一度体験してしまうと、片足のスタンドには戻る気にならないですね。駐輪の際に傾斜などに神経質にならずに済みます。

センタースタンド台座がある自転車なら取り付け簡単。跳ね上げたときの横への出っ張りも抑えられており、ロード用2ピースクランクでも問題なし。後輪を外しても自立するところも好都合です。

惜しむらくはもう少し軽ければというところですが、その欠点を補って余りある利便性があると思います。街乗りメインのユーザーにとくにおすすめです。

2 件のコメント :

  1. はじめまして。
    クランク変更の記事を読ませて頂いた時に思った事は、「スタンド取っちゃえばイイのに」でした。
    ママチャリや実用車に付いているスタンドはアリだと思いますが、スポーツ車にサイドスタンドを付けるのって、メリットよりもデメリット(重量増、風でコケる、フレームに傷がつく、等々)の方が多いような(^_^;)
    その点、ダブルレッグタイプのスタンドなら重さと引き換えにしても着ける価値が有りますね。

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    1. ぽたさん、こんにちは!
      折りたたみ小径車におけるスタンドの扱いは悩ましいところですね。スポーツ車と割り切っているのであればスタンドなし、街乗りが主なら安定性重視でダブルレッグ、輪行や車載持ち運びメインなら軽い片足スタンド、というような感じで、目的や用途によって選択するのがいいのかもしれません。
      ダブルレッグは街乗り用途であれば間違いなくおすすめですよ!

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