草木の緑も鮮やかな5月。梅雨入り前のこの時期は、サイクリングにうってつけの季節ですよね。

だけど、ただ走るだけじゃもったいない。そこにもうひとつ、ぜひとも加えていただきたいのが「自転車×野外料理」の愉しみであります。

ブログ内でも何度かご紹介しておりますこのアソビ。想像以上におもしろい反面、荷物の多さがネックでした。

そこで考えました。野外料理関連の持ち物をもっとコンパクトにできないものだろうかと。

以来、無駄使いと試行錯誤を積み重ね、ようやく納得のいく構成にたどり着きました。

さっそく使ってみよう、ということで、それらをサドルバッグに詰め込んで、新緑の野外飯サイクリングへと出かけました!



今回の目的地はいつものダム湖のほとりではなく、なんとキャンプ場です。あったのですよ、そんな野外料理に最適なスポットが。しかもダム湖の近くに。

こりゃ行くしかあるまいということで、地図でおおよその場所を確認し、走りやすい田舎道を選んで向かうことにしました。



この日のサイクリングで、ひとつ新たなアクセサリーを投入。ボトルケージ増設用のクランプです。水分補給用の水と料理用の水をボトル1本で賄うのは、さすがに厳しい季節になってきました。しかしルートのボトルケージ固定穴は1ペアのみ。そこでこの増設ホルダーの出番であります。



ミノウラ BH-100-M ボトルケージホルダという製品です。クランプ径28~35mm対応のMを購入しました。ワンタッチで自在に付け外しできるのが特徴で、折りたたみ自転車などには都合の良い造りとなっております。(より確実に固定するためには、レバーを倒したあとキャップボルトを増し締めする必要があります)

このホルダー、画像でご覧のとおり、円形の台座にギザギザの山型加工が施されおり、装着角度を好みで変えられる仕組みになっています。が、この機能に関してどうにも腑に落ちない点がひとつ。

ハンドルバーなど、水平のものに固定する際には、画像左下のコマのように、ボトルケージ固定部分がしっかりまっすぐになります。ところが、シートポストなど垂直のものに固定しようとすると、画像右下のごとく、まっすぐになる位置がありません。

これってどうなんですかね、ミノウラさん。ふつう、0度と90度で固定できることをまず基本として、そのうえで可変の角度を刻むものじゃないですか?

実用上はとくに問題ありませんが、なにやらスッキリしない傾きを残したままシートポストに装着しました。



この日はとにかく風の強い一日でした。いったん止まって写真を撮ろうにも、強い風に煽られて自転車が倒れてしまうため、なかなか自転車のそばから離れることができません。

あとで気象庁の観測データを確認したところ、この日の風速11m/sを超えていました。そりゃ自転車も立っていられないはずです。



途中、何度か道に迷って引き返したりしながらも、どうにかこうにか目的地に到着。堤で堰き止められた沼のほとりにあったのは、まぎれもなくキャンプ場でした。



意外にも管理の行き届いたフィールドにびっくり。公園のような景観です。そして、案の定と言いましょうか、誰もいません。そもそもここにキャンプ場があること自体、知られていないのかもしれませんね。(私も最近になって知りました)



敷地内に足を踏み入れてみると、なだらかな斜面の野原が広がっていました。奥には炊事などができる水場もありました。

キャンプには詳しくないんですけど、開けた土地にあるキャンプ場にもかかわらず、全面傾斜地で平らな場所がないというのは、珍しいんじゃないでしょうか?

寝るときは、頭を山側に向ければいいとしても、料理などをする際にはストーブや鍋が安定せず、けっこう危険だと思うのですが、どうなんでしょう。案外この地形のせいでキャンパーがいないのかも?



ぐるっと見渡した感じ、本当に平らな場所がなく、結局、傾斜の緩い木陰に陣取ることにしました。

というわけでようやく本日のメインイベント、昼食作りに取り掛かります。その前にまずは道具をご紹介。

新たな道具を選定するうえで求めた条件は、サドルバッグ(モンドパックXL)に無理なく収納でき、簡単な昼食やお茶が作れること。過剰な装備は極力避け、「小さく軽く」を重視しました。

ネットで達人たちの持ち物を参考にしたり、売り場で実際に道具を手に取って検討した結果、容量の違う複数のチタンマグをクッカーとして使い、熱源はアルコールストーブの自作が良いだろう、という結論に達しました。



こうして揃えたのが画像の品々であります。チタンマグは、220、300、375、450、550mlを用意。これらを組み合わせることで、たいていのことは可能です。難しいのは炊飯ぐらいですかね。

アルコールストーブは空き缶や100均の容器を使って製作。作り方はネットで公開されているものを参考にしました。自作アルコールストーブの世界も奥が深いようで、熱心に作っている方々が大勢いました。

私も見よう見まねで、いくつか作ってみました。どれもおもしろい特徴があって、興味深いものばかり!なるほどアルコールストーブ作りにハマるのもわかります。



今回はその中からこのストーブをチョイス。これはセリアという100円ショップで売られている、アルミクリームコンテナを利用して作ったものです。市販のアルコールストーブ等でもお馴染みの、オーソドックスな副室加圧構造を採用しています。内壁はカーボンフェルト入りです。

暗い所で燃やしてみると画像右下のような感じに。太陽光の下ではアルコールの青い炎は見ることができません。

自分で作ったストーブの中では、携帯性も含めて、コイツがいちばんバランスの取れた性格でした。



モンドパックXLにも余裕で収納可能。パンパンに膨れていた前回・前々回とは大違いです。



ストーブ、五徳、燃料40ml、ライター、風防など、すべてSP300の中にパッキングすることができます。



というわけで、さっそく調理開始。材料はいつもの早ゆでフジッリ、90グラムです。強風がどれほど影響するか予想がつかなかったので、とりあえず通常の1.5倍、燃料20mlを投入してみました。



風の影響を考えれば風防はもう少し狭く囲うべきだったのかもしれません。しかし水量が少ないこともあってか、強風に邪魔されながらも短時間で沸騰しました。



沸騰後の燃焼持続時間も問題なし。首尾よく茹で上がったところで、さっそくインスタントのトマトソースを……と、あれ? もしかして……?

持ってくるの忘れました。本気で(笑) 何か忘れてるような気がしてたんですよね。ストーブ関連の準備に気を取られて、肝心の食材のほうを置いてきてしまいました。



仕方ないので、トッピング用のイタリアンパセリとブルーチーズだけで食べます。

一見すると、おいしそうな感じを受けるかもしれません。しかしその実は……圧倒的塩味不足ッ!

ブルーチーズの味がけっこう強いのでそれなりに美味ではあるものの、やっぱり塩が欲しい。塩をください。ソルトプリーズ。

などと嘆きつつも、あっさり完食しました。お腹すいてたもので。



食後はレモンバームとミントのハーブティーでいっぷく。両者とも庭の一角にわさっと茂っておりまして、出かける前に摘み取ってきました。



午前中から夕方までとにかく風が強く、何をするにも風に翻弄された一日でしたが、強風下でもアルコールストーブは十分使い物になる、と分かったのが大きな収穫でした。



新たに揃えた道具たちも、期待にたがわぬ大活躍。携行も簡単になって文句なしです。

外でお茶を飲むだけでも、思いのほか楽しいものです。みなさんもぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。



ところで後日。置いて行ってしまったインスタントソースを使って、家でパスタを作りました。やっぱりこのほうがおいしそうです(笑)

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