ルート号のダメージをチェック


4月のアクシデント以来触っていなかったルート号。あらためて各部をチェックしてみます。転倒現場から自走で帰ることができたので、大きなダメージは負っていないはずですが、果たして……。



まず一見してわかるのがハンドルポストの異常。転倒の衝撃でズレてしまいました。



ダホンのこのタイプのハンドルポストは、フォークコラムとの接触幅が高さ20mmほどしかありません。そのため、瞬間的に強い力が加わると、どうしても動いてしまうんですよね。

このズレた状態のまま自宅まで走って戻ってきました。なんのことはない、アレンキーで固定ネジを緩めてまっすぐに直すだけでよかったのですが、現場では身体のダメージをケアするのが精いっぱいで、とにかくなんとか家まで帰り着かなければ、という考えしか頭にありませんでした。



ハンドルポストのズレ自体は、根元の6mm固定ネジを(場合によっては内側のヘッドセットねじも)緩めるだけで修正可能です。



念のためヘッドセットの再調整も行いました。

ところでダホンのこのハンドルポスト、位置を直す際にどこを正面に向けるのがただしいのか、ちょっと分かりにくいですよね。

固定ネジを軽く締めた状態で、真正面からポスト傾きを確認しながら微修正していくとやりやすいのではないかと思います。



位置を確定してネジをしっかり締めたら修正完了です。

まあこのポストのズレは衝撃で動いただけのこと。とくに問題はありません。



いっぽう上の画像の部分。テレスコピックのガイドも兼ねているこの突起、この山が回転を伴う衝撃で少し削れてしまいました。

故意なのか手抜きなのか定かではありませんが、この部分はもともと造りがルーズで、左右回転方向にかなり遊びがあります。

前輪とハンドルバーが正しく十字の関係になるよう、目を細めて「むぅ……ここだ!」と固定するのが常でした。

ガイドや回り止めといえば聞こえが良いですが、そもそもたいした役目は果たしていないのです。クランプカラーのネジ止めのほうがおもな目的で、ガイドや回り止めの機能はオマケなのかもしれません。

この半分役立たずな突起が削れてしまったことで、ハンドルを固定する前の遊びが倍増してしまいました。固定のたびに目を細めて位置を見定めるのも面倒なので、今後、何か手を加えてみようかと思案中です。



パーツ類で唯一被害を被ったのがペダルのケージ。ご覧のように曲がっていました。しかしこれもまっすぐに矯正すれば大丈夫。さっそく取り掛かります。



本体からケージを取り外し、両側からペンチでつかんで曲げれば簡単に元通り!……というわけにはいきませんでした。アルミ製とはいえ、そうヤワなものではないようです。

バイスに固定してペンチで曲げてみたり、ゴム板で挟んでアンビルの上で叩いたりして、どうにかある程度まで直すことができました。ケージをペダル本体から外さずに作業したほうが 簡単だったのかもしれません。



この部品はおそらく、三ヶ島さんに直接連絡すれば1個から売ってくれるのではないかと思います。今回はまずまず上手く矯正できたので良しとします。なおペダルの機能はまったく問題ありませんでした。


このあと自転車のほかの部分もひと通りチェック。フレームの変形やクラック、クランクのゆがみ等、とくに目立った問題もなくひと安心です。倒れたのが左側だったことも幸いしたようです。右側ならRDやハンガーが無事では済まなかったはず。ルートくんが軽微な損傷で済んで幸いでした。

風のうわさで聞いたところによれば、落車の際、自転車のダメージが大きいと身体への影響が少なく、逆に自転車が無傷だと身体が壊れていることが多いのだとか。なんとなくわかる気がしますね。



今回のアクシデント直後の状態を再現してみると、上の画像のようになります。前輪は完全に180°回転してしまっています。

小径車乗りなら一度は経験したことがあると思われる、とある状況に似ていますね。信号待ちなどでサドルから前に降りて停車中、荷物をいじろうとしてハンドルから両手を離した際に、 車体が傾いて前輪がくるっと横を向いてしまいそうになり、あわてて抑える、というあのシチュエーション。それが転倒の際に起こったようです。

ケガの箇所もそれを裏付けています。倒れた左側の手や腕は、無意識のうちに衝撃を待ち構える受け身の体勢にになりますが、反対側の右手は、そのままグリップを強く握り続けていたものと思われます。そこにステアリングが回転して右手親指をひねるような強い力が加わり、第1中手骨基底部もろとも、CM関節の靭帯がブチ切れたというわけです。

転倒で地面に手を打ち付けたことによるケガではなく、ハンドルが強く回転したことによるケガだったんですね。この種のケガは自転車や二輪、スキーの事故で多いそうです。

個人的には自転車のなかでも、フラットバーの小径車に多くありそうな受傷状況かな、という気がしました。



寒風が吹き始めるまでもう間もない時期ですが、ルート号も無事、身体の状態も良好ということで、本格的な冬を迎える前にルート号で出かけてみるつもりです。こんどは「よそ見」をしないよう気を付けます(笑)

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