リアハブ FH-4600の整備をしたのですが・・・


ぽんたです。ハブのシールリングには気を付けろッ!

ナニゴトかって? 分解清掃したんです。FH-4600を。チェーンもスプロケもきれいになったことだし、ついでにリアハブも確認しておこうかなと思って。

そもそも使用期間や走行距離からすれば、バラして整備するようなタイミングじゃなかったんですよね。でも、ちょっと思い出したことがあって、開けてみることにしたのです。

以前、小耳にはさんだ話なんですけど、なんでも、カップアンドコーン式ベアリングの場合、新品ハブの初回整備は早めのタイミングが良いのだとか。

新しい玉押しや玉受けにベアリング球の当たりが付く際に、ごく細かな金属カス?が出て?グリスに紛れ込む?ので、それを取り去る意味でも初回だけは早いほうが良い、また、わずかにガタが生じている場合もある、とかなんとか、そんな話でした。

ホントかどうか知りません。

で、折しも目の前にあったのが、清掃作業のために外されていたルート号の後輪です。

付いているのは新品の状態から使っているFH-4600。未だ初回整備を行っておらず、まさに今がその「早め」のタイミング。

これはッ! 真偽のほどを検証する絶好の機会ではないかッ! と思ったのです。が。結果グダグダになってしまいました。とにかく作業の様子をご覧ください。



こちらがそのFH-4600。見た目にはさほど汚れていません。砂や泥を軽く拭き取り、さっそくハブ軸をバラします。



事前の予想通り、内部の状態は良好そのもの。グリス交換など必要ないほどフレッシュです。

しかし今回の目的はそこではありません。果たしてこの一見まだ新しいグリスの中に、玉受けや玉押しから削れ落ちた微細な金属粉のようなものが紛れ込んでいるのか?

思いつきました。安易な方法。グリスをすべてすくい取って容器に入れ、パーツクリーナーで溶かしてから、溶液に磁石を当ててみりゃいいんじゃない?と。

……。ちょっと考えてみれば、これでは判別は無理ではないかと気付きそうなものですが、しかし今回における最大の失敗は、この稚拙な検証方法ではありません。

なんと容器の中に、ベアリング球とグリスだけでなく、ロックナットやシールリングまで放り込んじゃったんです。オゥ……。



あっ?と気付いたときにはすでに手遅れ。外部の余計なゴミまで入り込んでしまいました。

この失態により、今回の整備の意義は9割方失われてしまいました。

誤解を招くといけないので画像なしですが、明らかに外部のものと思われる大きなゴミのほか、泥のようにも見えるほど微細で、なおかつ、磁石に反応する物質も容器の底にわずかながら存在していました。

が、それが果たしてカップの内側にあったものなのか、それともロックナット等に付いていた外部のゴミか、判別することができなくなってしまいました。(おそらく後者でしょう)

……。まあ仕方ない。気を取り直して整備を続けます。



今回、ベアリング用に新しいグリスが仲間入り。フィニッシュラインのテフロングリスです。自転車用としては良く知られたこの商品、使ったことがなかったので買ってみました。

糸を引くような感じがなく、少し固めでサラッとしたグリスです。この乳白色は、グリスの劣化の度合いを視覚的に判断するのに都合が良いのだとか。なるほど。さっそく盛っていきます。



ここまでの一連の画像を見て、過去に同じ経験のある方なら、あるいは嫌な予感をおぼえるかもしれません。「あのやわらかシールリングを外しただと?」と。

お察しのとおりです。



戻そうと思ったら、右シールリングが曲がってました。取り外す際にやってしまったようです。

じつはこれまで、このシールリングを取り外したことはありませんでした。現在FH-4600のほかに、FH-6700も使っており、そちらのハブも同様の構造になっていますが、整備の際にはシールリングを外すことなく作業していました。

シールリングの脆さを知っていたからではなく、FH-6700の場合、右シールリングがやや深い位置にあり、傷めずに外すのは無理っぽいという感触があったからです。

それを今回のFH-4600では外してしまったのです。カップの中の残留物を調べたかったという理由のほかに、6700と比べると右シールリングの位置が浅めで、無事に取れそうな感じがしたんですよね。それがこの始末ですよ。(ちなみに左シールリングは大丈夫でした)



これはマズったなーと思いつつ、そのまま右シールリングを取り付けてみました。見た目にもやや歪んでいるのがわかります。



ところで、このシール部分はどうなっているのかというと、上の図のような構造です。シマノが呼ぶところの「ラビリンス構造&コンタクトシール」というやつです。

オレンジの部分がゴム系樹脂、白い芯の部分が薄い金属で出来ています。

「コンタクトシール」というぐらいなので、中央にある膜状のゴムが玉押し外周と接触することで、防塵防水の役目を果たしています。

これでよく回転抵抗にならないなという気もしますが、フリクションロスがゼロではないにしろ、影響を及ぼすほどではないということなのでしょう。

あらためて図を見てみると、右シールリングの膜状の部分が、玉押し上部にあるツバの内側に入り込むようして接する構造であることがわかります。

今回傷めたのはこの右シールリング。右側はややタイトな造りになっており、もしかするとシールリングのわずかな歪みでも影響が出てしまうかも……。



軸を戻し、ロックナットを取り付け、玉当たりを調整して、おそるおそる回してみると……う~ん。グリスを詰め替えた直後ということもあり、なんともビミョーな感触です。

回転の止まりぎわを観察したかぎりでは、変形したコンタクトシールから余分な抵抗を受けているようには見えませんでした。おそらく、ギリ、問題ない程度の変形にとどまったのではないかと思いますが……。

いや、やはり念のため交換しておいたほうがいいかも? 高い補修部品でもないし? 隙間が生じてゴミや水が入る可能性もあるし? と、ネットでオーダーしたところ! なんと! 「メーカー欠品。5月下旬に入荷予定」

...頼みますよシマノさん。



分解図の10番、Y3CR08000というこの部品。ティアグラFH-4600だけでなく、FH-5700や完組ホイール用ハブなど、多数のシマノ製品に共通のシールリングです。それが欠品とは……。

あともうわずかでも大きく変形していたら、6月までルート号に乗れないところでした。

ということで自戒を込めて……右シールリングは外しちゃダメ、絶対!

まあ実際、絶対ダメなわけでもないのでしょうが、取り外しの際には細心の注意が必要ですね。かなりタイトなフィッティングです。

どうしても取り外す必要がある場合を除けば、そのまま外さずに整備するのがオススメです。



ところで失敗に終わった検証のほうなんですけど、まっさら新品の玉押し、玉受け、鋼球がこすれ合えば、当然微細な金属カスが出るだろうことは想像できますが、それが回転や寿命にどれほど影響を及ぼすかというと、さて、どうなんでしょう。

おそらくグリスで十分な潤滑状態にあれば、気にするほどのことではないのだろうと思いますが、未改造ルート号の標準ホイールに使われているような、あまり高品質でないハブの場合には、留意しておくほうがいいかもしれませんね。

長くなってしまいました。以上、ぐだぐだハブ整備の巻でした。

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